2002年度 奈良県公立高校入試問題 40分
( 国 語 )
※ ( )内の点数を使えば合計50点となります。
書式の関係で横書きになっています。
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次の文章を読み、各問いに答えよ。
 すがすがしい朝。いい言葉だ。すがすがしい朝を迎えたいと思う。すがすがしい朝を迎えられたら、その日一日の幸せがもう約束されたように思う。  ・・・・(第一段落)
 すがすがしい朝には太陽の明るい光が必要だ。目がさめて窓に明るい陽(ひ)のさしているのを見ると、体のなかにも明るい生命が流れる。太陽崇拝は朝日を喜び迎えるところから起こったに違いない。朝は太陽とともにある。  ・・・・(第二段落)
 では、くもった朝、雨の朝はどうか。くもっていても雨降りでも、朝は朝だ。これから一日が始まるのだ。@心のなかだけでもすがすがしくありたい。何かが始まるのは新鮮なことなのだから。  ・・・・(第三段落)
 眠りからさめて一日が始まる。思えば、不思議なことだ。Aなぜ眠るのだろう。眠らねばならないのだろう。  ・・・・(第四段落)
 新しい日が始まるには、前の日が終わらねばならない。前の日の終わりにくるのが眠りであり、眠りによって前の日が終わるのだ。眠らずにいたら前の日が終わらず、新しい日が始まらない。  ・・・・(第五段落)
 何かが始まるとき、始まりは常に新しい。始まる何かは、常に新しく始まるので、さあ始まるぞ、というとき、その新鮮さにわたしたちはBぞくぞくする。朝には、どんな朝にもそうした新鮮さが備わっていて、朝がくるたびにその新鮮さを感受できる人が、言葉の本当の意味で健康な人だ。その意味で、健康が幸せのもとだというのは当たっている。  ・・・・(第六段落)
 さて、一日の始まりだ。何も書かれていない真っ白な紙に向かうような気分で、一日を迎えたい。それが朝の気分というものだ。そんなことを言ったって、少し冷静に今日一日のことを考えると、やらねばならぬ仕事、会わねばならぬ人、行かねばならぬ場所がすぐにも頭に浮かんで、真っ白な紙には、すでにしていくつもの予定が書き込まれている。それがわたしたちの暮らしというものだ。昨日と変わらぬ今日があり、今日と変わらぬ明日がある。C真っ白な紙には、何日も前から、いや、何か月も、何年も前から、たくさんの直線や曲線が引かれているのかもしれない。  ・・・・(第七段落)
 それはそうだ。が、だからこそ、わたしたちには眠りが必要であり、すがすがしい朝が必要なのだ。  ・・・・(第八段落)
昨日と今日のあいだに切れ目を設け、昨日とは違う世界、今日とは違う自分に出会いたいのだ。本当に違う世界に出会えるのか。違う自分に出会えるのか。それは分からない。分からなくても、朝、眠りからさめて、新鮮な空気が体を流れ、新しい一日を思う。それが生きるということだ。  ・・・・(第九段落)
(長谷川 宏の文章による)
(一) −線@の「心のなか・・・・だから。」で用いられている表現上の工夫を、次のア〜エから一つ選び、その記号を書け。
ア 擬人法   イ 対句法   ウ 反復法   エ 倒置法
(二) −線Aに「なぜ眠るのだろう。」とあるが、筆者は眠りにはどのような役割があると考えているか。文中の言葉を用いて書け。
(三) −線Bの「ぞくぞく」とほぼ同じ意味で使われているものを、次のア〜工から一つ選び、その記号を書け。
気温が急に下がったので寒くてぞくぞくしてきた。
レコード会社からは新曲のCDがぞくぞく発売されている。
アイドルと握手ができると思うとぞくぞくする。
夜になって高熱が出てきて背中がぞくぞくしはじめた。
(四) −線Cに「真っ白な紙」とあるが、この言葉は何をたとえているのか。簡潔に書け。
(五) 文中の第七段落の働きについて述べたものとして最も適切なものを、次のア〜エから一つ選び、その記号を書け。
読み手の日常生活と筆者の求める生活との共通点をあげて、自らの最初の考え方とは異なる新たな結論へと導いている。
読み手の日常生活に配慮して理想とは異なる現実についても述べ、筆者自身の考えを納得させる足がかりとしている。
先に述べた内容を筆者の体験に基づく補足や説明を加えて反復し、自らの考えを分かりやすくまとめる用意をしている。
先に述べた内容については実現が極めて難しいということを筆者自身が示し、異なった提案をする準備をしている。
(六) −線部に「すがすがしい朝を迎えたいと思う。」とあるが、筆者がそのように思うのは、朝には何が備わっていると考えているからか。文中の言葉を用いて、具体的に書け。
(一) 4点
(2点)
(二) (例)
前の日を終わらせる役割。
4点
(2点)
(三) 4点
(2点)
(四) (例)新たに迎えた一日 4点
(2点)
(五) 4点
(2点)
(六) (例)
何かが始まると期待させる新鮮さ
4点
(2点)

/24点
(12点)
能役者について述べた次の文章を読み、各問いに答えよ。
そもそも上手にもわろきところあり。下手にもよきところ、必ずあるものなり。これを見る人もなし。主(ぬし)も知らず、上手は、@名を頼み、達者に隠されて、わろきところを知らず。下手は、もとより工夫なければ、
わろきところをも知らねば、よきところのたまたまあるをもわきまへず。されば上手も下手もA互ひに人に尋ぬべし
(世阿弥の文章による)
(注) 見る人=見分ける観客 主=役者自身
(一) −線@の 「名を頼み、達者に隠されて」の解釈として最も適切なものを、次のア〜工から一つ選び、その記号を書け。
うわさを信じ、巧みな口調にまどわされて
高い評価を期待し、体の丈夫さを自慢して
名声を過信し、すぐれた技能に思い上がつて
人望が高くなり、本来の力以上のものを出して
(二) −線Aに「互ひに人に尋ぬべし」とあるが、筆者はなぜそのように言っているのか。三十字以内で書け。
(三) この文章の表現の特色として最も適切なものを、次のア〜工から一つ選び、その記号を書け。
物事を対比させることで内容を理解しやすくしている。
 断定することを避けることで読み手に考えさせている。
漢語表現を多く用いて文章にリズム感を出している。
心情表現を適切に用いて読み手に感動を与えている。
(一) 4点
(2点)
(二) (例)
(28字)
6点
(3点)
(三) 4点
(2点)

/14点
(7点)
次の文章を読み、各問いに答えよ。
 ぼくは魚眼レンズを用い、チョウにレンズが触れるぐらいまで思い切り寄って撮影するのが好きである。このときのチョウとの駆け引きが面白く、最後には触るまでいっても逃げなくなることもある。そしてファインダーの中に現れた映像は虫が主役の不思議な世界だ。
 自然の写真は、A被写体は同じでも、その意味は撮影者によって異なる。ある行動を見つけそれを記録しようとすることに、生きがいを感じる人もいる。ただよい写真が撮れてよかったと思う人もいるだろう。チョウの写真を撮ってチョウが逃げなければ、チョウが自分になついてくれたといって喜ぶ人もいるだろう。毎日同じ広場で同じキアゲハがやってきて手にとまる、チョウが自分になついたと感激していた人がいた。チョウが人になつくなどというと、科学者の中には@そんな非科学的なという人も多いだろうが、チョウが人になつくことはないと断定することが科学的なのだろうか。
 科学とは仮説を立ててA実験をし証明するのが正当法である。たぶんBそのキアゲハはその広場をテリトリーの場として利用していたのだとぽくは思う。そういったときのキアゲハは見通しのきく枝などによくとまる。キアゲハはその人を木の枝と同じように利用したのであろう。これはその場所に何か同じぐらいの高さの物を置くことで証明できるだろう。もし、その人を自然物としてチョウが認識したのであれば、それはなついたのだといってもCあながち間違えてない気もする。
 写真家にとって科学的な考えとは、自分の見たこと撮影したことは、それがすべて正しいと思い込まないことだと思う。写真家は自然観察者としての意識を十分にもつことも大切である。しかし文献や一般常識がすべて正しいと思い込まないことも重要である。写真家は自分が経験し、撮影したことから物事を考えることが最も重要なことだと思う。写された写真から独断で仮説を立てる。それがもし新発見だと思ったら、もっと観察と撮影を続ければよいのである。そうすればさらなる発見をすることもあるし、それが単なる偶然であるかもおのずと分かってくる。撮影を続けることで、自然を撮影する写真家は科学的な見方のほとんどを自然から学べるのである。
 D昨今は自然写真家も、一般の写真家同様に表現者であることも大切だと思うようになった。写された事実が一般的な事柄であっても、見る人にインパクトを与え、自然とは何だろうと考えさせたりすることも意義あることである。様々な生き物が様々な世界を形作っていて、決してチキュウは人間だけのものではないことをツタえるような写真が撮れたらぼくはうれしいし、たとえ科学に直接役に立たなくても、自然をあるがままに撮影しようという写真家がたくさん出てくることも大切だと思うのである。
(海野和男の文章による)
(注) ファインダー=構図などを決めるカメラののぞき窓 テリトリー=なわばり、領域 インパクト=衝撃、影響
(一) −A、Bの漢字の読みを平仮名で書き、−C、Dの片仮名を漢字で書け。
(二) −線@の「そんな非化学的な」の後に省略されていると考えられる言葉を書け。
(三) −線Aに「実験をし」とあるが、それに当たる部分を、同じ段落中から抜き出して書け。
(四) −線B「そのキアゲハ」の「その」が指している内容を、文中の言葉を用いて書け。
(五) −線C「あながち」の意味として最も適切なものを、次のア〜工から一つ選び、その記号を書け。
ア 絶対に   イ まさか   ウ 必ずしも   エ 到底
(六) −線Dに「昨今は・・・・思うようになった。」とあるが、筆者は、自然写真家はどのような姿勢を兼ね備えていることが大切だと述べているか。兼ね備えるべき二つの姿勢の内容を文中の言葉を用いてそれぞれ簡潔に書け。
(七) 筆者の「科学」についての考え方を一言で言い表したい最も適切なものを、次のア〜エから一つ選び、その記号を書け。
科学とは決めつけないこと。
科学とは調和すること。
科学とは引き継いでいくこと。
科学とは感動しないこと。
(八) この文章において筆者が工夫していると思われる点として最も適切なものを、次のア〜エから一つ選び、その記号を書け。
自然写真の撮り方を読み手が正確に把握できるように、長年観察し記録してきた内容を具体的に解説している。
自然写真の振り方を読み手が正確に拇握できるように、身近な生き物の例を多くあげて論理的に解説している。
自然写真家としての在り方が的確に理解できるように、自然の生態系についての持論を詳細に説明している。
自然写真家としての在り方が的確に理解できるように、科学的なものの見方についてていねいに説明している。
(九) −線部の「虫が主役の不思議な世界だ。」を、全体の調和を考え、楷書で、一行でていねいに書け。
(一)  ひしゃたい 2点
(1点)
 みとお(し) 2点
(1点)
地球 2点
(1点)
伝(える) 2点
(1点)
(二) (例)
(そんな非科学的な)ことはあるはずがない
4点
(2点)
(三) その場所に何か同じくらいの高さの物を置く 4点
(2点)
(四) (例)
毎日同じ場所で手にとまる同じ(キアゲハ)
4点
(2点)
(五) 4点
(2点)
(六) (例)
自分が経験し、撮影したことから物事を考える姿勢
4点
(2点)
(例)
写真で表現したものを通して見る人に自然について考えさせる姿勢。
4点
(2点)
(七) 4点
(2点)
(八) 4点
(2点)
(九) (例)
虫が主役の不思議な世界だ。
2点
(1点)

/42点
(21点)

(漢字・語句)

(説明文・論説文)
次のの中の文章を読み、後の@、Aの条件に従って作文せよ。
 今日、わたしたちは、テレビ、新聞、書籍、雑誌などを通して、様々な情報を得ている。その中で、自分の興味・関心のあることについて理解を深めるためには、どのようにすればよいのだろうか。
条件@  自分が興味・関心をもつていることの具体例を一つあげ、それについて理解を深めるために、あなたはどのようにしているか、あるいは、どのようにすればよいと考えているかを、二段落構成で書け。なお、あげた具体例を解答用紙のに書くこと。
条件A  原稿用紙の正しい使い方に従って、百二十字以上百五十字以内で書くこと。ただし、題、自分の名前は書かないこと。
(例)
宇宙飛行士
調
調
(141字)
/20点
(10点)