次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
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| 山菜採りは食用の目的で野生の食べられる植物を採取することで、季節ごとの楽しみともなっています。春に採れる山菜のほとんどは植物の若芽です。春先のフキノトウやツクシにはじまって、南の海岸地帯ではアシタパ、東日本の山間部ではワラビやゼンマイ、ササの若芽などが代表的な山菜となっております。また、秋にはキノコ類や木の実を採取します。 |
| 農耕地の少ない昔の山間部では野菜がァ欠乏する冬期間、@その代用品として重要な意味をもっていましたし、高価な山菜は大事な収入源となっていました。採った山菜は全部をすぐに食べることはしないで、塩漬けという形でその年の冬まで保存しておくのです。冬になると真水で生だしという塩抜さをしてから調理しました。翌年の春まで野菜代わりに食べつなぐのですから、かなりの量の山菜を採ることになります。 |
| マタギのような山の人たちが山菜を採るとさは、はえている山菜を全部採ってしまうことはしません。若芽を全部採ってしまうと、もう次からはえてこなくなることを知っているからです。はえている中から良い物だけを採るのです。研究仲間の牧田先生は、マタギの工藤(くどう)さんが山菜を採るのを見てB「山をなでているように見える」と表現しています。こうして、山菜が絶えてしまうことを防いでいるのです。 |
| また、採るとさにはそれぞれに適した道具を使っています。手で引っばると根こそぎ抜けてきてしまう山菜は、木の枝で作ったノミのような形のもの (ツクシ)で生え際(ぎわ)から切り取ります。秋に取れるマイタケも、同じような道具でマイタケの塊を崩さないように採ります。倒れたィ朽ち木に発生するナメコなどはなたを使ってきれいにそぎ採ります。こうすると次の年もまた同じところにはえてくるのだそうです。 |
自然の資源を枯渇(こかつ)させないような採り方を彼らは に知っていて、それを忠実に実行しているのです。しかし最近の街場の人たちは、こういったルールを知らないで、手当たりしだい引きちぎるようにして根こそぎ採っていくそうです。そのため山菜が採れなくなってきているといいます。 |
| ここに紹介した、白神山地をゥ舞台として生活してきた人たちがもっている、山の植物や動物といった自然資源の利用やその考え方は、森の中で育(はぐく)まれた一つの文化といえます。一見、現在の機械文明とはひどくかけ離れたもののように見えます。しかし、私たちの祖先がたどってさた道なのです。その上に今の文明があるのです。山地を利用して生きてきた人たちは、自分たちが生きていくために利用してきたのです。そして少しでも便利なようにさまぎまな工夫をこらしてきました。この利用が度をこせば次は自分たちが生きていけなくなることを知っていたのです。ですから、C人が生きていくということの原点は、現在の文明社会でもちがいはないのです。 |
| (齋藤宗勝『君たちへの遺産 白神山地』による) |
| (注) |
マタギ |
= |
東北地方の山里に住み、狩猟を職業とする人。 |
| 枯渇 |
= |
尽き果てて、なくなること。 |
| 白神山地 |
= |
ブナの原生林が残る、青森県と秋田県にまたがる山地。世界遺産に登録されている。
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