| 次の文章を読んで、後の1〜7の問いに答えなさい。 |
| 空にのぼり、のぼり続けて重力がなくなるあたりまで行って振り返ると、地球はまんまるで実にきれいなものだそうである。その写真はもちろん見たことがあるが、多分そのとおりなのだろうと思う。@ウタガってみる理由などはない。けれども、そんなきれいなまるいものの上に生まれ、育ち、 A大切な会合に出席する途中で上着のボタンが取れてしまい、さてどうしたものかとまごついてみたり、B花の咲くのが前の年より三、四日ばかり遅くなったためにつぽみの前で不安になったり、そんなことをしながら老いていくのがどうもこっけいに思えてくる。 |
| それは実際に空のかなたから地球の美しい姿をAニクガンで見てきたからといって変わるものではない。だから、そのまるい地球の上で、取るに足らないようなことでよろこんだり悲しんだり、怒ったり、笑ったりしているのが、人間にとってはBセイジョウなのだと思うより仕方がない。 |
| ほとんどすべての人間がそうであろうが、《 》にいながら地球を忘れて生活している。《 》に生きていて、その上を歩いたり走ったり乗り物を利用して遠方へ行ったりしているが、また、そこで会議を開き、歌い踊ったりもしているが、その度ごとに 《 》にいることを想(おも)い出したりはしていない。地球上の人類の未来について論じ合っている人たちも、その時《 》でそんな議論をしていることを忘れているかもしれない。 |
| だが、また、だれもが、ある状態に置かれた時には、地球の上に生きていることをいやおうなしに想い出す。ある状態というのは半島の突端に立った時とか、【 】 とか、広野の細い一本道を歩いている時などである。 |
| 昔、広い草原で一夜を明かしたことがあったが、歩き疲れて横になり、大地に耳をつけるかっこうでしばらくじっとしていると、地の底で、低く重い音がしているのが聞こえてきた。それは初めて聞く音であったが、人間の鼓動と同じ速度で、地の底のどこかで、火がCモエているあたりで大きな脈を打っているようだった。 |
| そんな音がしているはずはないと幾度も否定しながら耳を離さずにいたが、気のせいではなかった。 |
| それを聞いているとDタシかに不安になり、怖くなった。けれども、また、急に安らかな気持ちにもなった。その音を聞いていたかったのは私ではなく、私の生命がそれを望んでいた。 |
| (串田 孫一(くしだ まごいち)の文章による) |
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| 1 |
−線部@〜Dのカタカナの部分を、漢字に直して書きなさい。 |
| 2 |
「空にのぼり、」で始まる冒頭文の内容は、実際の体験に基づいたものではないことがわかる。その根拠となる表現を、この一文の中から五字で抜き出して書きなさい。 |
| 3 |
−線部A・Bの内容をまとめて言い換えた表現を、本文中から十五字以内で抜き出して書きなさい。 |
| 4 |
−線部に最も近い意味を表す四字熟語に「○○哀楽」がある。○○を補うのに適当な二字を、次のア〜エの中から一つ選び、記号で答えなさい。 |
| ア 苦楽 イ 悲喜 ウ 喜怒 エ 苦楽 |
| 5 |
《 》には同じ表現が入る。《 》を補うのに最も適当な表現を、本文中から四字で抜き出して書きなさい。 |
| 6 |
【 】で、筆者が表現していると考えられる最も適当なものを、次のア〜エの中から一つ選び、記号で答えなさい。 |
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ア |
まんまるで実にきれいな地球の写真を一人で見ている時 |
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イ |
四方を遠くまで見渡せる山頂にしばらく一人で腰を下ろしている時 |
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ウ |
霧の中を走る列車の窓から、見え隠れする町の明かりを一人で見ている時 |
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エ |
高いビル群に囲まれ、圧倒されるような思いでビルを一人で見上げている時 |
| 7 |
−線部について、「私」が、「地の底で、低く重い音がしている」 のを聞いて「安らかな気持ち」になったのはなぜか。六十字以内で説明しなさい。 |